茨城県常陸太田市武子家文書調査・保存活動


武子 裕美
2012.4.5

 茨城県常陸太田市にある武子家は、近世では庄屋、近代に入っては戸長を務めていました。また、長谷神社の氏子総代も勤めていました。
 
 常陸国久慈郡長谷村武子家所蔵資料は、風呂敷包みが二つ、段ボール箱一箱が現在把握できるまとまりです。
 
 内容は主に絵画、絵地図、典籍、留帳、地租改正関係、神社関係、選挙、出金簿などです。
 年代は分かるもので、宝永四(1707)年からですが、幕末から明治にかけてのものが多数あります。

 まず、庄屋としての文書類。
 東御郡方御役人様覚帳、長谷村丑御配紙留帳、乍恐以書附奉願上候事(大風・風雨に付)、常水鎮守埜々上郷控帳、常水鎮守太田郷控帳、久慈郡長谷村惣人別改元帳村控、諸願書振控帳
 などが見られました。
 
 明治に入り戸長となってからは、主に検地に関する文書が多数まとまって見られました。
 久慈郡長谷村地券反別帳をはじめ、村のあちこちを描いた実測図が24点。地名が書かれていない絵図は、他のものの剥離かと思われます。さらに耕宅地地租名寄帳、農家基本台帳、耕宅地々位等級票など土地を取り扱ったものが多数。
 その他村政を行っていると思えるものもいくつか竪や横帳の状態で現存しています。

 神社に関するものもまとまって見られました。鳥居木新築入費帳など、神社の普請に対して入費の帳簿類。長谷村内にある長谷神社と、付近にある幡村に存在する長幡部神社に関するものが中心となっています。

 その他、写本なども数多くありました。
 また、観音菩薩や草花などを描いた絵画がまとまっています。七十二年に一度行われる東金砂神社と西金砂神社の祭礼の様子を描いた絵巻物もありました。

 今後も継続して武子家文書調査を進めていく予定です。
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