報告会

第1回 南伊豆を知ろう会
石廊崎、海とともに生きる
2007.4.14


 2007年4月14日(土)、静岡県賀茂郡南伊豆町石廊崎コミュニティーセンターにおいて、『第1回 南伊豆を知ろう会 ―石廊崎、海とともに生きる』を開催致しました。

 静岡新聞や伊豆新聞に開催の記事が掲載されたこともあって、午後7時開催という遅い時間ながら、石廊崎地区内外から75名の方々がお越し下さいました。

 最初に石廊崎区長、南伊豆町教育長の挨拶を頂き、報告が始まりました。

 第1報告は西村慎太郎(当NPO法人代表理事)による「石廊崎の古文書・文化と歴史資料の継承 ―NPO法人歴史資料継承機構の紹介―」です。

 この報告では、石廊崎の江戸時代における産業など基本的な歴史を説明し、その上で、当法人がこの地域にとって何ができるかを説明致しました。
 そして、「歴史資料」継承のため、従来各地で行われている方法を踏まえつつ、さらに、伝達・担い手の育成・観光・修復といった側面が重要であるとまとめました。

 第2報告は田中潤さん(学習院大学大学院)による「石廊権現の縁起について」です。

 この報告では、石室神社に遺された仁平2年(1152)と元和元年(1615)の年号が記された縁起(村の由来を書いたもの)を詳細に分析しています。
 そして、同地で修験修行を行なっていた真綺行者という人物の事績が石廊崎の役行者(役小角)像の形成に影響を及ぼしたと評価されました。
 読みにくい縁起を書き下し文にした上で、詳細な解説を加えており、地域の方々にも分かりやすい報告だったものと思われます。

 第3報告は荻野裕子さん(奈良教育大学非常勤講師)による「石廊崎の富士山 ―伊豆の富士信仰のなかで―」です。

 この報告では、石廊崎に聳える「富士山」をについて「歴史資料」と伝承の両方から、その姿を明らかにした上で、伊豆の富士信仰や各地の「富士山」について分析致しました。
 そして、石廊崎の富士信仰に伊豆の宗教者が深く関与したということをご説明頂きました。
 民俗学者である荻野さんの報告に、長年親しんできた「富士山」の新たな面が垣間見えたようで、多くの方々の興味を誘っていました。

 報告後、岩井國臣参議院議員(元国土交通省副大臣)より総括を頂き、最後に石廊崎区活性化委員会委員長より閉会の辞がありました。

 終了は午後9時を回ってしまいましたが、お越し頂いたみなさんは熱心に耳を傾け、様々なリアクションがあり、「歴史資料」の継承という問題に対する関心の高さが窺えました。


 「歴史資料」の継承には保存をしようという意識が不可欠です。
 そして、保存のためには文化財保護法の冒頭に記されているように活用面も重視しなくてはなりません。
 これまでどうしても保存と活用は相容れないという感覚が強かったかと思われますが、活用面は人々の心に「歴史資料」の継承の芽を植えつけます。

 その活用は教育であったり、産業であったり、観光であったり、様々だと思いますが、今回の『南伊豆を知ろう会』がきっかけとなって、「歴史資料」の継承の芽が花となって咲くよう、当NPO法人の活動を展開していきたいと考えております。


 最後に、今回の会を後援頂いた南伊豆町教育委員会、南伊豆町石廊崎区、開催に当たって多くのお力添えを下さった南伊豆町町議会議員保坂好明様、石室神社禰宜小澤孝宗様、そして、お集まり頂いた皆様に心より御礼申し上げます。

文責:西村慎太郎
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